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USCPAその後、経理転職その後

コンサルファーム→BIG4会計事務所→東証一部上場メーカー経理。米国公認会計士(USCPA)。海外行きたいけど、当面、国内勤務。中途半端な英語をモノにしたいと日々考えたり動いたり。

Excelで自動化される経理業務の弊害

今週も忙しい一週間でした。

何をしたかというと、月次決算で切る伝票の金額を計算して起票したり、同じく月次決算を行うためのシステムのマスタ情報を更新したりです。

これらは毎月やるいわゆるルーチン作業です。そしてこれらを行うのに登場するのがお馴染みExcelです。

経理に携わっている人は容易にイメージできるかと思いますが、経理ではExcelはまず欠かすことの出来ないツールです。これを使って、まずシステムから出力した生データを関数やマクロ、ピボットテーブルを駆使して何段階も加工し、最終的に伝票数値などの出したい情報に作り上げていくのです。

コンサル会社や会計事務所にいたことろからクライアントとして経理部の人と仕事をすることも多く、これらの資料を山ほど見てきましたが、今の会社でもご他聞にもれず、一つのExcelファイルの中には縦横無尽に関数やピボットテーブルが張り巡らされていますね。それらが無数のファイルとして共有サーバに保管されています。

新任としてまずこれらを扱う人間になって苦労するのは、自分が切る伝票の意味や目的以前に、これらExcelファイルの構造を理解することです。大抵のExcelファイルはその数字の加工プロセスを理解するのは容易ではありません。Excelは時間さえかけてロジックを作っていけば相当に複雑な構造をもった計算ツールになってしまいます。

正直、複雑すぎる関数を施されたExcelはその計算過程を理解せずに入れた数値が勝手に計算されてその結果を伝票として計上してしまうこともあります。

下手をすると、その伝票の計上の必要性や目的は完全に忘れ去られ、切れといわれたから、このExcelで必要項目に入力して表示された数値を使えてと引き継がれたからそうやっだけ、というもはや会計知識も何もいらないただの作業です。時間は掛かるが、それは生産性の無い時間です。

また、経理の職場ではこれらの複雑なExcelを作り上げる職人のような人物が尊敬される傾向があります。そしてその人が人事異動で離れてしまった後、操作方法だけ引き継がれた人間が残り、必ずやってくる「いつもとは違う取引」にぶつかり、初めてこの作業の意味を知る必要性に迫られ、意味もわからず作業をしていた自分を恥じるのです。

しかしこの担当者が悪いのか??いや、私はこんな会計上の意味も知らないで使用できるExcelを作ってしまった前任者を責めるべきだと思います。

会計仕訳には全て、その仕訳を切る意味があり、仕訳の数値もその数値になる背景があるのです。私は、作業を優先して無理やりExcelで自動化してそれらの意味を考えることを断ち切ることはしてはならないと考えます。これらの意味を考えることによりほかの業務に共通する概念を芋づる式に理解することが可能となり、様々な応用を利かせることが出来るからです。

自動化しないと業務が回らない、というのが現場の実情でしょう。それは現場にいる私もわかります。経理は忙しく常に時間に追われています。

しかし、後任の人間が思考を深める機会を奪うのは会社の将来を左右しかねません。また例外的な事象が発生したとき、対処できる人間がいないという事態になり、ロジックに裏付けされないあいまいな決算数値が作られてしまうことも十分に考えられます。

業務が回らないなら回るだけの業務に減らすか、人間を確保すればいいと思います。それは転職したての末端にいる一担当者だから言える言葉でしょうか?

私が近い将来経理の方針作りに携われる立場になったとき、是非この疑問への答えを出してみたい課題です。